ソフトバンクグループ株の将来性は?
コロナバブル以降、一度は下落しましたが、その後株価が戻りつつあるソフトバンクグループ株。
今後の動向が気になる方も多いのではないでしょうか。
ソフトバンクグループの中核事業は、世界中の有力スタートアップに投資をするファンド事業(SVFファンド)です。
一時は1兆円近い大赤字を叩き出した一方、2024年3月期決算では、前年比2.8%増の6兆7,565億円で4事業が増収、営業利益は5,780億円となっています。
その結果を受け、株価も上昇傾向。
今後は、いかに投資先企業を上場させ、投資資金を回収できるかがソフトバンクグループの業績・株価を左右するでしょう。
ソフトバンクビジョンファンド(SVF)の投資先の中でも、近々の上場が期待されるデカコーン企業をまとめました。
ソフトバンクグループへの投資を検討されている方は必見です!
ソフトバンクの10年後の株価:
ソフトバンクGについて
SVFファンドとは?
ソフトバンクグループの創業者 孫正義氏は「人々を幸せにする情報革命」をビジョンに掲げています。
そのビジョンを達成する手段として、ソフトバンクビジョンファンド(SVF)を立ち上げました。
ソフトバンクグループによって設立された巨額の投資ファンド。
世界中のテクノロジー関連の有力スタートアップ企業への投資を行い、イノベーションと新技術の発展を支援しています。
SVFファンドでは、現在400社を超える有力スタートアップへ出資。
一時は世界第2位の規模を誇るファンドになりました。
過去にはアリババやDiDi、Uberといった企業に出資をして、リターンを得てきました。
直近の業績推移
売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | |
---|---|---|
2024年3月期 | 6,756,500 | 57,801 |
2023年3月期 | 6,570,439 | ▲469,127 |
2022年3月期 | 6,221,534 | ▲869,562 |
2021年3月期 | 5,628,167 | 5,670,456 |
2020年3月期 | 5,238,938 | 50,038 |
売上高は年々増収しているものの、営業利益が安定しない状況です。
株価推移
株価は2024年6月現在は9,900円付近です。
コロナバブル以降、一度は下落しましたが、その後再びどんどん上昇していっています。
今後さらに上がっていくのか、もしくは今が天井なのか、気になるところです。
SVFファンドの出資先企業は?
ソフトバンクグループが出資するのは、主に既に成長軌道に乗っている上場直近のスタートアップ。
既に軌道に乗っているでデカコーン企業に出資をすることで、リスクを軽減しつつ、株式公開(IPO)時にはリターンを得ることができます。
ある意味、勝ち馬に乗る的な発想です。
過去、様々な企業がSVFからの出資を受け、IPOを果たしてきました。
投資先企業の上場がカギ!
投資先の企業が上場し、投資資金を回収できるかがソフトバンクグループの業績・株価のカギとなると言えます。
今回は、ソフトバンクグループが出資する中でも特に規模の大きい上位5社の事業内容や今後の上場見通しをまとめました。
ちなみに、今回紹介する5社はデカコーンと呼ばれる企業です。
2022年時点で世界に51社しかにないデカコーンのうち、ソフトバンクグループはそのうち5社に出資しています。
デカコーン企業とは、企業価値10億ドル以上の未上場企業のこと。
これらの企業が上場した際には、ソフトバンクGへの利益貢献も大きなものになるでしょう。
ソフトバンク株の10年後を占う有力投資先
①ByteDance(バイトダンス)
Tiktokで有名な「ByteDance」は、世界で最も評価額の高い中国のスタートアップです。
時価総額は日本円にして30兆円超。
トヨタ自動車が40兆円弱なので、相当な規模であることがわかります。
ByteDanceは、Tiktok以外にも下記のサービスを展開しています。
- Lemon8:インスタのように文字や写真を投稿できるSNS
- Ulike:ナチュラルに盛るビューティカメラ
- CapCut:動画編集ツール
- Lark:法人向けビジネスツール
- Toutiao:ニュースアプリ
- Douyin:中国版tiktok
- Xigua:動画配信プラットフォーム
ソフトバンクはByteDanceに2018年に出資。
投資額は不明ですが、一部メディアによると1,000億円ほどと見られています。
2022年に香港に上場が噂されましたが、中国当局の圧力などにより実現しませんでした。
また、米国では利用者データが中国当局に流されているとして、アメリカ議会から厳しい追及を受けています。
そして、米国や諸外国でtiktok利用禁止の動きがあります。
特にインドではtiktokなど59本の中国製アプリを禁止すると発表されました。
米国やインドでの締め付けは事業上の大きな打撃でしょう。
上場に向けては、中国当局や米国議会との関係性など、解決する必要のある課題がいくつかありそうです。
このような動きを考えると、直近での上場はなかなか難しいと考えられているのでしょう。
上場が実現したならば、ソフトバンクへの利益貢献も大きいはずなので、今後も注目です。
②Revolut(レボリュート)
「Revolut」は、イギリスのフィンテックスタートアップです。
評価額は33億ドルでランキング7位。
イギリス企業の未上場企業ではナンバーワンです。
従来、銀行が独占的に提供していた送金、為替といったサービスを、安く早く便利に提供することを目指します。
今や日本を含む200以上の国と地域で事業展開し、世界で3,000万人以上のユーザーを抱えます。
- 元々は、安価な手数料の国際送金サービスを提供
- 今では、支払・外貨両替・投資・保険など、周辺の金融サービスも一括して提供する金融スーパーアプリ
ソフトバンクGは2021年に出資しました。
投資額は不明ですが、タイガーグローバルキャピタルとの合計で8億ドル(1000億円)を出資したとされています。
Co-FounderのNikは、直近での上場の可能性を否定していません。
- マーケット環境により今後2,3年でのIPOの可能性がある
- 数ビリオンドルの年間売り上げが立つ頃に上場を検討する
といった発言が、これまで複数のメディアに取り上げられています。
下記の英字記事では2023年か2024年早々の上場が予想されています。
2023年の売上予想は8.5億ユーロ(約10億ドル)。
IPO基準水準に近づいてきているのではと考えられます。
一方、事業拡大の課題となっているのは、イギリスにおける銀行免許の取得です。
銀行免許はこれまで銀行など限られた企業にしか発行されてきませんでしたが、昨今はスタートアップの参入を促す意味で、解禁されつつあります。
銀行免許を持つと、預金を受け付けることができるなど、より自由な金融サービスの提供が可能に。
ドイツ、ベルギーなど幾つかの国では銀行免許を取得していますが、イギリスでは数年前から交渉をしているにもかかわらず実現していません。
アメリカへの上場を選ぶのか?など気になる部分もありますが、引き続き注目のスタートアップです。
③Fanatics(ファナティクス)
「Fanatics」は、プロスポーツ企業のECサイト・実店舗・商品開発の運営などを支援するアメリカ企業です。
評価額は31億ドルで世界第14位。
2023年の売上は$8Billon(約1兆円)を見込みます。
世界200近くものプロスポーツチームとパートナー関係にあり、ファン獲得や売上拡大のためのサービスを一気通貫で提供するのが強み。
有名どころのスポーツクラブともれなくパートナー関係にあります。
また、2024年パリオリンピックのパートナーにも認定されています。
- アメリカの4大プロスポーツ(MLB、NFL、NBA、NHL)
- ブンデスリーガ、マンUなどの欧州サッカークラブ
- 日本では巨人、ソフトバンク、日ハムやセレッソ大阪、清水エスパルス
特に、FanaticsのECプラットフォームには年間100億円ほどの投資がされており、常に顧客企業に競争優位性を提供します。
実際、Fanaticsを利用する福岡ソフトバンクホークスは、2019年比でオンライン売上が1.5倍になったそう。
ソフトバンクGは2018年に10億ドル(当時のレートで1100億円ほど)を出資。2021年にも追加出資をしました。
このように世界規模でスポーツビジネスを提供するFanaticsですが、経営幹部などから上場について具体的なコメントはこれまでにありません。
下記のサイトによると、
- マーケット環境が上向くのを待っている
- 企業価値が100億ドルにヒットするのを待っている
という情報が、噂レベルであるそうです。
④Chime(チャイム)
「Chime」は、米国のフィンテックスタートアップです。
ベースの事業内容としては、上で紹介したRevolutと似ており、デジタル銀行です。
大きな違いはターゲットをアメリカ国内の中・低所得者層に絞っている点です。
下記のような機能により、通常の銀行口座を何らかの事情で開けない人に金融機能を提供しています。
2022年時点でユーザー数は約1500万人、年間売上は18億ドル(約2,000億円)です。
- 信確認なく誰でも当座預金開設が可能
200ドルまでであれば当座貸越が手数料無料 - 保証付クレジットビルダーカード作成可
信用力が低い人向けに、事前に一定金額を預け入れる代わりに発行されるカード - 最低利用金額は無し
所得や貯金額に関係なく誰でも利用可
2021年にソフトバンクなどから7.5億ドルの資金調達(約1000億円)をしました。
一部メディアでは、2022年のIPOを目指していると報じられましたが、結果的に延期。
2022年は株式市場の混乱により、軒並みの新興株が下落したので、より良い条件でIPOできるタイミングを待っているのかもしれません。
また、特に貧富の差が激しい米国の課題感にマッチしたサービスと考えられますが、今後のビジネス拡大をどのように進めていくのかも注目です。
⑤GoPuff(ゴーパフ)
「gopuff」は、フードデリバリーの米国のスタートアップです。
元々、創業者が大学生の時に、学生に深夜にジャンクフードを届けるサービスとして創業。
深夜に食べたい時にジャンクフードを食べれるべきだと、学生時代に課題に感じていたとのことです。
現在は大学生以外にも広くデリバリーサービスを提供しています。
2021年に$1Billionの売上を記録。
アプリダウンロード数は1000万人。アクティブユーザーは250万人ほどの人気サービスです。
特徴は安さと速さです。
- 安さ
アルコール・スナック・アイスクリームや医薬品など日用品を、一律1.95ドルの手数料で配送 - 速さ
24時間365日、注文から30分以内に到着
ソフトバンクは2020年に7.5億ドル(日本円で約1,000億円)を出資しました。
上場観測 ・2022年1月には上場に向けゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーと協議を始めたと報じられました。
下記のサイトによると、2022年のIPOが有力だったようですが、マーケット環境の悪化により断念。
今後の事業成長ならびにIPOに向けての懸念材料は、競争激化です。
Amazonが米国での即日配達を強化する方針であり、ゆくゆくはgopuffのような即時配達サービスが可能になる可能性があります。
また、欧州では幾つかの国から撤退し、現在はイギリスとフランスに注力しています。
事業拡大と収益安定をバランス良く進める必要がありそうです。
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ソフトバンクグループの株価の10年後
まとめ
本記事では、ソフトバンクグループの10年後の株価を考えるためのヒントとなる最新の取り組みを紹介しました。
ソフトバンクグループは、世界中の様々な有力企業に資金を提供しています。
今回紹介したデカコーンでしっかりと資金回収できるかが、ソフトバンクグループやSVFファンドの今後にも影響するでしょう。
この内容を参考に、ソフトバンクグループの10年後の株価を考えてみてはいかがでしょうか。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。