Zホールディングス(LINEヤフー)の今後の株価は?
2019年に、国内大手のYahoo!JapanとLINEが経営統合し、誕生したZホールディングス。
2023年には更なる再編によりLINEヤフーとして生まれ変わりました。
そんなLINEヤフーですが、2010年代以降、長らく株価は横ばい。
日本を代表するテック企業となり、成長軌道に乗ることができるのでしょうか。
この記事では、10年後の株価を考えるヒントとなる、
- Zホールディングス(LINEヤフー)の事業内容
- 直近の業績・株価
- 今後の成長戦略
についてまとめました。
LINEヤフー(旧:Zホールディングス)の10年後の株価:
LINEヤフーとは
LINEヤフーの企業・事業概要
主な事業内容は下記です。
LINE、Yahoo、PayPay、ZOZO、ASKUL、出前館など、名だたるブランドを傘下に持っています。
- メディア事業
LINE、Yahooポータル、スポーツメディアのSportsNavi、レシピ動画事業のdelyなど - コマース事業
Yahoo!ショッピング、PayPayフリマ、LINEショッピング、ZOZO、ASKULなど - 戦略事業
PayPay(決済、カード、銀行、保険、アセマネ)、LINE PayやLINE Financialなど - その他
Z venture Capital、出前館
LINEヤフーの強みは、
- コミュニケーション(LINE:月間アクティブユーザ数9,500万人)
- 情報(Yahoo:月間アクティブユーザ数7,600万人)
- 決済(PayPay:登録ユーザ数5,800万人)
の3つの領域で、 日本で当たり前に使われているサービスを持つことです。
LINEヤフーはLINEを中心に、海外事業も盛んに行っています。
LINEは日本国内だけでなく、アジア圏を中心に、海外でも1億7,800万のユーザに使われています。
人口 | LINE月間 アクティブユーザ | |
---|---|---|
台湾 | 2,326万人 | 2,200万人 |
タイ | 6,609万人 | 5,400万人 |
インドネシア | 2億7,224万人 | 700万人 |
特に、台湾とタイでは人口の大半が利用するアプリとして浸透。
決済、銀行などの周辺サービスも浸透しており、LINEPayは台湾ではシェアNo.1の決済サービスになっています。
ハイパーローカライゼーション戦略として、各地域の課題や文化に応じたサービス展開をするのが特徴です。
- 台湾
コロナ禍において、フェイクニュースが大きな問題となっていました。
これに対して、LINEは「LINE Fact Checker」を立ち上げました。
2021年末までに55万人以上が利用するアプリとなりました。 - タイ
タイで交通渋滞による外出の困難が課題となっていました。
LINEはフードデリバリーや日用品デリバリー、タクシー配車などのサービスを提供するアプリ「LINE MAN」を、2016年にローンチしました。
LINEヤフーの業績・株価
LINEヤフーの業績は、直近5年ほど右肩上がり。
特にコロナ禍では需要の高まりを受け、高い成長率となりました。
売上収益 (前年比成長率) | |
---|---|
2019年3月期 | 954,714百万円 |
2020年3月期 | 1,052,943百万円 (10.29%) |
2021年3月期 | 1,205,846百万円 (14.52%) |
2022年3月期 | 1,567,421百万円 (29.99%) |
2023年3月期 | 1,672,377百万円 (6.70%) |
各事業の内訳は下記の通り。
メディア事業 (前年比成長率) | コマース事業 (前年比成長率) | 戦略事業 (前年比成長率) | |
---|---|---|---|
2021年3月期 | 366,924百万円 | 746,116百万円 | 87,438百万円 |
2022年3月期 | 641,202百万円 (74.75%) | 810,920百万円 (8.69%) | 110,797百万円 (26.71%) |
2023年3月期 | 642,001百万円 (0.12%) | 836,453百万円 (3.15%) | 192,026百万円 (73.31%) |
主力であるメディア事業・コマース事業ともに、競争激化などを理由にシェアや成長率が鈍化しています。
従来型の積極的な販促の実施に支えられた成長の限界に直面しています。
このような状況下、23年2月には「20年代前半に国内物販EC取扱高No.1」の目標を取り下げ。
グループ企業の再編とマネジメント体制の変更を決定しました。
業績は右肩上がりですが、株価は横ばい基調が続いています。
2000年周辺は一時10,000円近くをつけましたが、2000年代半ばにITバブルがはじけて以降、1,000円以下で推移しています。
LINEヤフー(旧:Zホールディングス)の10年後の株価:
成長戦略
LINEヤフーは、各種サービスのID連携・グループ横断有料会員プログラムの導入などの施策を順次実施し
- 各アセットの有するユーザ基盤の活用
- サービス連携の強化
を図ることで、中長期的な成長を目指すとしています。
2023年度および2024年度の重点施策が公表されていますので、それぞれ見ていきましょう。
2023年度の重点施策(構造改革)
2023年度は「構造改革」の年と位置付けています。
グループ全体で
- 経営の効率化
- 2024年以降の再成長のための基盤作り
を目指します。
LINEヤフー内で重複するオフィスやサービスの集約など、事業の選択と集中などで約300億円の経費を削減します。
また、エンジニアのコーディングに生成AIを活用するなど、先端テクノロジーの活用にも力を入れています。
LINEヤフーは約7000人のエンジニアを抱え、導入するAIは全員が使えるようになります。エンジニアごとに業務は異なりますが、導入前の実験ではコード作成に費やす時間が平均で1日当たり2時間ほど短縮。開発中心のエンジニアでは3〜4時間縮められた事例も多く見られました。AI導入で浮いた時間は、新サービスの考案など人間にしかできない創造的な仕事に充てます。
引用元:日経新聞
2024年度以降の再成長
グループ内で持つ豊富なデータを利活用するために、ID連携を実施します。
- 2023年10月に「LINE」と「Yahoo! JAPAN ID」のID連携を開始
- 2024年度には「PayPay」と「LINE」のID連携も予定
国内最大級のユーザー基盤を活用し、
- LINE
- Yahoo
- PayPay
などサービス間の連携を促進。経済圏を拡大して再成長を目指します。
また、統合されたIDに対して、新たな統合的な有料会員プログラムを設けます。
(現在個別に展開されている有料会員プログラムは廃止。)
これらによりLINEヤフーがより消費者に便利で価値のあるサービスを提供し、収益の最大化を図ります。
【2024/6追記】
LINEヤフーは2026/4/13にスマホ決済サービス「LINEPay」を2025年4月30日までに終了すると発表。
「LINEPay」の終了により、国内の送金・決済サービスは「PayPay」に一本化することになります。
LINEヤフー(旧:Zホールディングス)の10年後の株価:
注目の3つの取り組み
上記の成長戦略を踏まえ、今後の注目の取り組みをまとめました。
- Connect One構想
- Fintech事業の強化
- 生成AIの活用
まだ公開されている情報は多くありませんので、今後も新たな施策が計画・実行されることでしょう。
取り組み①
Connect One構想
LINEヤフーは、LINEを窓口に顧客接点を効率的に結びつける新たなプラットフォーム「Connect One」の計画を公表。
詳細は決まっていないようですが、2024年から提供を始める予定です。
「Connect One」とは
- LINEヤフーの様々なサービスと「LINE公式アカウント」を連携
- 統合されたユーザー情報を集めて、広告やキャンペーンを一元的に実施
といった構想です。
前述した成長戦略のLINE/Yahoo/PayPayのID連携をした上での施策です。
例えば、とあるユーザーがLINE上で割引クーポンを取得し、アパレル店舗に来店。
そこでPayPayで決済すれば、購入した商品の情報が記録されます。
後日、ユーザーが検索サイト「Yahoo!JAPAN」を閲覧すると、店舗で購入した商品に関連した広告が表示され、通販サイトの「Yahoo!ショッピング」に誘導されるという流れなどです。
こうした情報がLINEヤフーに蓄積され、広告の相乗効果を生み出すとの算段です。
ヤフーやLINEでは、利用者の
- 性別
- 年齢
- 職業
- 検索行動
- 位置情報
- ニュースの閲覧カテゴリー
などの情報を抱えます。
LINEヤフーはこうした個人情報を複合的に活用したマーケティングを展開していく計画です。
取り組み②
Fintech事業の強化
LINEヤフーは、メディア事業、コマース事業に続き、Fintech事業を「戦略事業」と位置づけ、第三の柱への育成を目指しています。
国内QRコード決済市場シェア67%を占めるキャッシュレス決済サービス「PayPay」を起点に、
- クレジットカード
- 銀行
- 証券保険
などの金融エコシステムを構築する戦略です。
LINEヤフーは、QR決済としては大きなシェアを取りました。
しかし、日本の現金支出は約200億円。
その中でQR決済のシェアは2%ほどなので、更なる成長を貪欲に狙っています。
なお、PayPayのビジョンは決済アプリを超えて、ユーザの生活を便利にする様々な機能を提供することです。
そのために、下記の3層構造の収益モデルの確立・拡大を目指しています。
- 決済手数料収入
PayPayの決済取扱高が増えると増える収入 - 加盟店向けサービス
加盟店の売上を向上させるマーケティングソリューション。
例としては、月額定額制サービス「PayPayマイストア」、クーポンやスタンプサービスなど。 - 金融サービス
Paypayアプリ上で、スマートフォン決済と相性の良い金融サービス
現在までに、
- PayPayカード
- Payay銀行
- Paypay証券
など一連のラインナップを揃えています。
また、2022年2月には「あと払い」機能や少額保険サービスなどを追加するなど、ユーザーフレンドリーな最新の金融サービスを提供。
これにより、日常の決済アプリとしてのPayPayを入り口に、金融サービスで新たな付加価値を提供し、PayPay経済圏での回遊やユーザーの定着を狙います。
取り組み③
生成AIの活用
ソフトバンクGの孫正義社長は、OpenAIのアルトマンCEOと毎週面会をしていると報じられるなど、生成AI活用にとても熱心です。
また、ソフトバンクGが「最もAI活用するグループになる」という発言もありました。
近い将来、ソフトバンクGの一員であるLINEヤフーのサービスに、生成AIが組み込まれることが期待されます。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は4日、東京都内で講演し、「世界で最もAI(人工知能)を活用するグループにしたい」と述べ、関連事業を強化する考えを強調した。携帯電話やLINE、スマートフォン決済といった利用者が多い傘下企業が持つデータと連携を図る。
引用元:読売新聞
また、既に生成AIを活用する動きが出始めています。
企業向けのLINEサービスに「AI Prompt Manager」のトライアル提供を開始。
ユーザーからの「LINEチャット」上の質問に、事前に登録されたデータを参照してAIが返信を自動生成する機能です。
これまで企業側が手動で返信を入力していましたが、この機能により時間の削減が期待されます。
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LINEヤフー(旧:Zホールディングス)の10年後の株価
まとめ
本記事では、LINEヤフー(旧:Zホールディングス)の事業内容や足元の株価・業績、今後の成長戦略をまとめました。
LINEヤフー(旧:Zホールディングス)は国内トップのサービスを複数展開しています。
ID連携によりそれらの経済圏の利便性を高め、更なるビジネス拡大を目指しています。
生成AIの搭載など、今後の成長戦略からも目が離せません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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